夫婦仲良く協力し合って子育てをするタヌキ。メスが餌を探している間は、オスが子供の面倒を見ます。
子ダヌキの成育に適した時期とはいつでしょうか。
自然界において動物は、自分が最期を迎える時期がわかるのでしょうか。
そして、森で特定の種だけが増えすぎたり減りすぎたりしないよう、私たちができる対策=狩猟可能な時期とは?
タヌキに関わる3つの時期について調べてみました。
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タヌキの子育ての時期とは?
まだ雪の残る早春のことです。
キツネかアナグマがほった穴でしょうか。家主のいない空っぽの、少し大きめのねぐらを見つけたタヌキのオスとメス。二匹はそこで共寝をし、新しいタヌキの夫婦の誕生です。
6月にはかわいらしいタヌキの赤ちゃんが生まれました。
タヌキは普通、3~5匹の子ダヌキを生みます。
1か月後の7月、子ダヌキは親タヌキと一緒に巣穴から出てくるようになります。
8月には、自分たちで餌を探す練習もします。そのころには、大人のタヌキと体の大きさは同じくらいになります。
そして秋、子ダヌキはもう一人前。
生まれ育ったその巣穴から出て、親から離れて暮らしていくのです。
中には、そのまま親タヌキと一緒にいるものもいます。
捕食の練習に適しているのが冬以外の季節です。
なぜなら、餌となるミミズは地上近くの土の中で動き回りますし、秋にはおいしい果物が実るからです。
食べ物が容易にみつかるのではないでしょうか。
ですが、初めて自分で捕食して生きていかなければならないタヌキにとって、その時期は寒く厳しい環境の中です。
独り立ちする前に、親タヌキから生きる術を教わるのです。
自然の掟と命のバランス
自然界には、毎年新しい命が誕生しています。
誕生の数だけ、亡くなる数もなければ、動物が増えすぎてバランスがとれなくなってしまいます。
そこで、生き物は老いると独特のにおいを放つようになります。
このにおいは、自然界で役目が終わったことを意味し、さらっていってもらうためのサインとなります。
それらを敏感にかぎつけ、さらっていく役目が食肉目なのです。狩りをする場合、タヌキは夫婦でおこないます。自分たちより大きな動物でも、弱っていて、抵抗されないとわかれば捕食することもあります。
動物は、自分の終わりの時期がわかると聞いたことがあります。
この老いたにおいは、動物のそんな勘のひとつと言えます。
狩猟の解禁時期とは?
自然界において食肉目たちの役目のお話をしました。
次は、私たち人間がしなければならない対策についてです。
タヌキは農林水産業の被害の防止のため、害獣に指定されており、狩猟が認められています。
狩猟は害獣駆除のためだけでなく、個人の趣味で楽しむ場合もあります。地域の安全確保のため、狩猟の実施期間が定められています。農作業期を避けたり、山野の見通しのきく落葉期におこないます。
可能な時期は、北海道以外の地域は、毎年11月15日~翌年2月15日で、北海道は毎年10月1日~1月31日です。
鳥類の繁殖や、渡り鳥の時期を考慮し、狩猟期間が短縮されている場合が多いです。
狩猟が許可されているこの時期に山に入る時は、自然にはない目立つ色の洋服を着なければなりません。
野生動物が静かに暮らす中山間地帯でも、開発により道路や鉄道、田畑などがつくられてきました。
しかし、一部の地域では都市部に若者が集中したため過疎化が進み、耕作地は荒れ、野生物の暮らしがもどってきています。
また、地球温暖化により冬場の積雪地帯が減り、さらに野生動物が暮らせる場所が増加していったのです。
そう考えるとタヌキたち食肉目は、増加傾向にあるといえます。
生態系のバランスをほどよいものに保つため、鳥獣の保護と同時に管理という考えが加わりました。
狩猟には免許・許可がいります。
近年、高齢化とともに狩猟人口が減り、業者に委託されているそうです。
まとめ
タヌキの新しい命の誕生は、5月から6月です。
母ダヌキも餌が豊富にある方が母乳の出が良く、子育てしやすい時期と言えます。それに山の厳しい寒さは子ダヌキには過酷でしょう。
親離れの巣立ちの時期が、秋という木の実がたくさんの季節というのも納得できますね。