動物は、階級の上位から
「界(かい)」・「門(もん)」「綱(こう)」・「目(もく)」・「科(か)」・
「属(ぞく)」・「種(しゅ)」・「亜種(あしゅ)」
と下にいくほど細かく分類されます。
“タヌキ”という名前は“種”の位置に当てはまります。
タヌキはこの下の階級、“亜種”ではどのように分類されるのでしょうか。
日本のタヌキについて注目してみました。
その違いや特徴とは?見分け方は?
また、寒い地方にすむタヌキはどのように体を変化させたのでしょうか。
タヌキの亜種について
タヌキは、6つの亜種に分けられます。
・シベリアのウスリータヌキ
・朝鮮半島のコウライタヌキ
・中国のウンナンタヌキ
・中国・ベトナム(両国にまたがる)のビンエツタヌキ
・日本のエゾタヌキ(北海道)
・ホンドタヌキ(本州~四国~九州)
その中でも日本にいる2つの亜種の違いや見分け方についてです。
日本にいる2つの亜種の違いや見分け方
北海道に生息するエゾタヌキは、ホンドタヌキにくらべて体が大きく少し鼻がとがっていて、四本の足がやや長く、毛足もやや長いです。
北海道は寒く積雪も多い寒冷地です。寒さをしのぐため、ここに生息するタヌキは体を変化させてきました。
恒温動物は、寒いところに暮らすものほど体が大きくなるといいます。
大きくなれば大きくなるほど、体重当たりの体表面は小さくなるため、それだけ体温が逃げにくいそうです。
そして、体毛が長いのは、体の温かみと冷たい外気との境に、より多くの温かな空気を含むためです。
厳しい寒さの中で暮らすエゾタヌキの冬とは?
エゾタヌキは、12月末から3月にかけて冬ごもりをします。
その間はほとんど巣穴の中で暮らし、わずかな木の芽などを食べます。積雪が30cmにもなると数日間巣穴から外に出ないこともあります。
これは冬眠とは違います。
秋にたくさん食べて蓄えた脂肪を少しずつ消費しながら、巣穴の中で静かに雪解けを待ちます。春になると、秋に通常の1.5倍あったエゾタヌキの体重は3分の1にまで減っています。
ホンドタヌキは冬ごもりしません。
アライグマとタヌキ
タヌキは、アライグマとよく間違われます。
見分け方としては、タヌキの耳は丸みのある三角で縁の色は黒です。
顔の黒模様は左右つながっていません。
そして尾に模様はありません。アライグマの耳は三角で縁の色は白です。
顔の黒模様は左右つながっています。
そして尾はリング型に黒の縞模様があります。アライグマの前足はものをつかみやすい形をしているのが特徴です。
まとめ
日本の食肉目にクマがいます。ヒグマなどは肉食ですが、ツキノワグマは主に植物を食べて生きていく方向に進化してきました。
すむ場所によってかなり餌にちがいがあり、肉を好むツキノワグマもいますが、このように動物は厳しい自然の中で生きていくため、体や主とする食べ物を順応させてきました。
寒い地方にすむ動物たちは、体をうまく変化させて厳しい冬を乗り越えてきたんですね。