昔話にもよく出てくるたぬきは、とてもかわいらしく、少しずる賢いイメージがあり、人間とは親しみやすいイメージのある動物です。
では、実際はどのような性格でどのような特徴があるのかを調べてみました。
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たぬき寝入りから想像できるたぬきの臆病さ
「たぬき寝入り」という言葉がります。
猟師が山に入り、鉄砲を撃った時、銃弾が当たらなくても、その音にビックリし、思わず気絶してしまうそうです。
猟師が去ったあと目を覚まし、ふと我に返り逃げ去る様子から古来より、ずる賢い動物だと思われてきました。
しかし、実際には、鉄砲の音だけで気絶してしまうほど、臆病なのです。
人間を含め、どんな生き物でも、自分より大きな物、尋常でない音を聞くと驚き、たじろぐものです。
その後にどんな行動をとるかでその動物の持つ本能、性質、特徴を捉える事ができます。
大きな音に向かって突進する、あるいは遠ざかり逃げる。
そのどちらもできずただその場に立ちすくみ気絶するという事は、たぬきの持つ本能から生まれる言動なのでしょう。
丸みを帯びた体から見える包容力
ふかふかの茶色の毛に包まれた丸みを帯びた体つきは、とても人を襲うような凶暴な動物には見えません。
むしろ、うさぎや子犬のように、癒しすら与えてくれるような気持ちになります。
この包容力のある見た目が、外部からの警戒心を軽減し、近寄りやすい存在感を醸し出しているのでしょう。
茶色の毛というのも、自然食に近いため、優しい雰囲気をより強く現しています。
しかし、臆病がゆえ、たぬきから見て大きな人間が近づいてくると警戒心を高めるのです。
何かされるのではないかという恐怖をたぬきは感じているのかもしれません。
攻撃しない体質とは
敵に襲われるとうなり声をあげ威嚇するか、もしくは体当たりでがむしゃらに戦うか、動物にはそんな本能があります。
しかし、たぬきの鳴き声を聞いたという話しはありません。
たぬきが鳴く時はメスたぬきを誘う時だと言われています。
狼のように遠吠えする事もなく、静かに「うーうー」と鳴くそうです。
敵に襲われても、鳴く事すらしない、何ておっとりしているのだと思いますが、
たぬきからしてみれば、鳴く余裕がないのかもしれません。
鳴く事をする前に唖然として立ちすくみ、動かなくなるでしょう。
これもたぬきの臆病な性格の特徴だと思います。
昔話からとれるたぬき
昔話に出てくるたぬきというのは、大抵が悪戯をし、最後は人間に一泡ふかされるといったオチで終わります。
現にたぬきが本当に悪戯をして人間を困らせているのか、
前記したように、鳴き声をあげる事もなく、威嚇する事もなく、大人しい動物です。
悪戯というのも、昔の人が半分は話しをつけたし、おもしろおかしく作ったものでしょう。
たぬきでなくても、山から下りてきた動物は、食べ物を探し人間の田畑を荒らすものです。
しかし、熊では人間は太刀打ちできませんし、うさぎではかよわくかわいすぎます。
故に大人しく、いかにも人間が退治してたぬきを貶めたというたぬきを小馬鹿にした話しが生まれたのかもしれません。
まとめ
山の中でたまに目にするたぬきは、大人しく、かわいらしいものです。
近づいて何か食べ物を与えたくなるような親近感と癒しを与えてくれます。
それでも普段は遠目でしか見る事はありませんが、
きっとたぬきにとって、近づいてきた人間の大きな身体は、巨大な魔物のように見えることでしょう。
もう終わりだと言わんばかりの恐怖を感じているかもしれません。
鳴く事も逃げる事もできずたたずんでいるのかもしれません。
たぬきを見かけたらそっと見守ってあげましょう。
そんな人間の優しさが必要なのだと思います。
攻撃をしたりせず、そっと山に帰してあげましょう。