自然の中で厳しい冬を越すために、タヌキたちはどのような工夫をしているのでしょうか。
タヌキと同じ食肉目であるクマは、冬眠することがよく知られています。
冬は餌となる食べ物が少なくなるからです。
タヌキも冬眠するのでしょうか。タヌキの冬眠について調べてみました。
出典元:https://www.instagram.com/
タヌキの穴ごもり
北海道にすむ日本のツキノワグマは、秋になるとブナやミズナラのドングリを大量に食べ
て冬に備えます。体に脂肪をたくさんためるのです。
そして、冬眠します。冬眠している間は目を覚ますことはありません。
タヌキは、冬眠の習性はないといわれています。
積雪の多い寒冷地では冬に穴ごもりをすることが多いです。穴ごもりとは、冬眠と違い、木のほらや、土の中に掘ったその穴に入って冬を越すことです。
秋に集めておいたドングリを巣穴に隠して冬の間の貴重な餌にします。
冬に備え、タヌキの毛は毛足の長い冬毛へと変化します。
夏毛より、冬毛の方が毛が細く密生しており暖かいです。
冬は、野生動物が多く亡くなる季節です。動物が亡くなり血が体内にしずんでいくと、独特のにおいがただよいます。
それをかぎつけて肉食動物であるタヌキやキツネ、イタチなどがやってきます。
イタチの仲間 オコジョ 冬の生活
タヌキと同じ食肉目であるオコジョを紹介します。
オコジョも冬眠はしません。
日本の中央アルプス高山帯には、背の低いハイマツの林や、岩がごろごろしたがれ場でおおわれています。
そんな場所にすむのが、イタチの仲間であるオコジョです。ハイマツが生え、岩がごつごつした標高3000mの場所で、オコジョは昼間、岩の間をすばやくとびはねます。
冬になると、標高の低いところへおりていくオコジョがいますが、たいていは、冬でも高山帯にとどまっているようです。
そこは冬の間マイナス30度にもなる場所で、ふかい雪に閉ざされます。
しかし、雪と地面の間にはすき間ができ外の寒気からさえぎられ、そこは0度以上の気温がたもられます。
そのため、餌となるネズミも生活していけますし、オコジョもまた、暮らしていけるのです。
オコジョは冬になると毛がわりをします。
周囲の雪の色と同じ真っ白な毛になり保護色となっています。
このように毛がわりをする動物は、オコジョのほかにエチゴウサギがいます。
まとめ
タヌキと同じく食肉目でありイタチ科の動物・テンは、平地から高山帯までと活動範囲は広いですが、冬場は、少し低いところまでおりてきます。
凍った餌となる肉があると、肉をはぎとって安全なところへ運んで食べます。
冬場は、亡くなった動物が微生物によって分解されにくく、食肉目の動物たちが食べなかったら春までそのままになり、森に悪い病原菌が発生するかもしれません。
タヌキは、冬の間も森を守りクリーニングをして、良い環境をつくるという大事な役割をしています。
サバンナではハイエナが「そうじやさん」としてよく知られていますが、日本の野山ではタヌキがその役目をしているんですね。