脱毛しているたぬきについて
東京23区でも見かけることのある野生のタヌキ。
地域によっては毎日のように見かけたり、庭先に住み着いているという人もいることでしょう。
タヌキの病気
地肌が見えるほどに毛が抜け落ちているタヌキがいます。
地肌が見えるようだったら、そのタヌキは疥癬(カイセン)という皮膚病にかかっていることが考えられます。疥癬はヒゼンダニが寄生することにより発症し、強いかゆみを伴う病気。そのため、自分で掻きむしってしまい、毛が抜け落ちる脱毛症となってしまうのです。毛が抜けるのは、脚や口が届く範囲から始まり、最終的には全身へと広まることもあります。
地肌が見えない程度なら換毛期かも
明らかに地肌が見えるほど脱毛しているようなら疥癬ですが、もし、ちらほらと毛が抜けてボサボサになっているというようなら、毛が抜け変わる換毛期である可能性が高いです。
換毛期は夏毛になる5~7月に訪れ、毛足の短い夏毛の時期は7~9月に見られます。
その後、毛がだんだんと伸びて冬毛になります。
換毛期は、住む地域の気候やタヌキの個体差によってもばらつきますが、毛が抜けても地肌が見えないようなら、特に心配しなくても大丈夫でしょう。
疥癬のダニが人間にうつることは?
疥癬のタヌキを見かけると「かわいそう」と思う方もいると思いますが、「人間にうつらないか」と心配する方もいると思います。
疥癬はタヌキ以外の動物にも見られ、その動物によって原因となるダニは違います。
タヌキと人間では、原因になるダニの種類は違いますが、一時的にタヌキの疥癬を引き起こしているダニが人間に寄生することもあります。
その場合は、症状として皮膚に赤い小さな発疹が見られますが、寄生したダニが卵を産んで増殖することはありませんので、落ち着いて病院で診てもらいましょう。
まとめ
地肌が見えるほどに脱毛しているタヌキがいたら、疥癬という皮膚病にかかっていることが考えられます。
タヌキの疥癬の原因となっているダニは、人間にも一時的に寄生することがあるため、不用意に近づいたり触ったりすることは避けましょう。
もし、地肌が見えない程度の脱毛なら、夏毛に生え変わる換毛期である可能性が高くなります。
夏前にボサボサのタヌキを見かけたら、換毛期と考えて良いでしょう。