近頃は、里山から降りてきて住宅地で暮らしているタヌキもいます。
お住いの地域によっては、野生のタヌキを頻繁に見かけるという方もいるのではないでしょうか。
野生のタヌキを保護したら届け出が必要
野生動物を許可なく捕獲することは、鳥獣保護法によって禁止されています。
しかし、怪我をしていたり、明らかに衰弱していて保護が必要になってくることもあるかと思います。
その際は、普通の動物病院ではなく、自然鳥獣保護センターなどの野生動物の保護施設に連れていきましょう。
野生動物を保護した場合には、各自治体に届け出が必要になります。
保護する際は十分に気を付けて
野生のタヌキによく見られる病気は「疥癬」(カイセン)という皮膚病ですが、これはヒゼンダニというダニが寄生することで発病します。
もちろん、人間が素手でタヌキを触るのは危険ですよね。野生のタヌキを保護する際は、必ず分厚い手袋などを身に着けて、決して直接触らないように注意してください。
分厚い手袋は、万が一タヌキに噛まれたときにも役に立ちます。
本当に保護が必要か?
野生動物が、なにか怪我や病気にかかっていて衰弱しているとき、私たち人間が手を出すことが本当に必要なのでしょうか。
たとえ保護して施設などに引き渡しても、治れば野生に帰れますが、そうでなければ安楽死などの処分となります。
野生動物の保護施設では、「自然に任せるのが良い」という考え方が一般的になっています。「可哀そうだから……」と安易に保護すると、かえって野生に生きるタヌキを不幸にしてしまうのかもしれません。
私たちが手を出さずにそっと見守っていたほうが、自然の力に任せてタヌキが生き延びる確率が高くなることもあります。
保護する前に、もう一度そのことを考えてみてくださいね。
まとめ
野生のタヌキを保護する際は、噛まれたり病原菌をうつされたりしないよう、必ず手袋をするなどして直接触らないように注意しましょう。
保護したタヌキは、自治体に届け出をして保護施設などに引き渡します。
普通の動物病院では受け入れてもらえないことがほとんどです。
ただし、怪我や病気のタヌキを保護することが、本当に彼らにとって良いことなのかどうか、もう一度考えてから保護するようにしてくださいね。