タヌキがかかりやすい病気の一つに「疥癬」という皮膚病があります。
これはヒゼンダニが寄生することにより強いかゆみを生じる病気なのですが、毛が抜けて皮膚が硬くなってしまうことがあります。
実際に見たことのある人だと「ゾウのような皮膚」だとか「アルマジロみたい」などと言います。
タヌキなど動物のほとんどは、身体に生えている毛によって体温調節を行っています。そのため、病気によって毛が抜けてしまうと、体温を維持することができなくなってしまい、非常に危険な状態となってしまいます。
命に関わることも
疥癬はダニが原因の皮膚病ですが、ほとんどのタヌキは治療を受けられなければ命を落としてしまいます。
それは、毛が抜けることにより体温調節ができなくなってしまうため。
そして、免疫力が低下することにより細菌やウイルスなどの二次感染が起きてしまうためです。
疥癬は、酷いかゆみが特徴のため、かきむしってしまい傷つけてしまうこともありますし、寄生したダニが卵を産むため皮膚にトンネルを作るため、そこから二次感染してしまうこともあります。
かわいそうと思っても
野生のタヌキは住宅地でもよく見られます。
そのなかには疥癬によって毛が抜けてしまったタヌキもいて、見かけると「かわいそう」「なんとかしてあげたい」と思ってしまうのではないでしょうか。
しかし、そこで餌を与えてしまうと、結果的にタヌキの寿命を縮めてしまうことになるかもしれません。
タヌキは雑食のため、与えた餌はなんでも食べてしまいますが、人間の食べ物は栄養が高すぎて、逆にタヌキの身体を弱くさせてしまいます。
また、捕まえて病院に連れて行こうとすれば噛みつかれたり、ダニが人間や飼っているペットにまでうつってしまう可能性も考えられます。
毛の抜けた野生のタヌキを見かけても、下手に手出しはせずに、静かに見守ってあげるのが良いでしょう。
まとめ
タヌキは疥癬という病気になると、毛が抜け落ちて体温調節できなくなってしまうことがあります。
それにより命を落とすことも多く、人間からするとかわいそうに思えてしまいますが、そこで餌付けをすることは良くありません。
野生動物には野生動物としての生き方があります。
病気にかかっても自分の力だけで生き抜かなければならない、そういうことも理解しなければなりませんね。