疥癬(かいせん)と聞いても何だかわからない人も多いと思いますが、ダニによって激しいかゆみをともなう皮膚病のことです。
ダニは「ヒゼンダニ」で、人また動物の種類によってヒゼンダニの種類も違ってきます。
ヒゼンダニは、寄生すると卵を産んで増殖していきます。その時に、皮膚の中に産みつけるため、そこが水泡となります。
特徴は激しいかゆみで、免疫力が弱っているときには増殖が盛んになり、皮膚が固くなり、フケのように粉をふいてガサガサして剥がれ落ちてきます。
疥癬症にかかった動物は全身の毛が抜け落ちみるも無残な姿になってしまいます。
タヌキの疥癬の原因は何でしょうか?
疥癬は免疫力が低下している個体に寄生すると、そこを巣に増殖し、接触した他の動物にも感染します。
このことから、タヌキなどエサ場に集中してあつまる動物には集団感染の危険が高まっています。
また、近年問題視されているタヌキの都会進出。
人間による環境破壊で、野生のタヌキの生息地が徐々に少なくなってきてしまい、都会にもタヌキが出没するようになりました。
都会にはゴミがたくさんあるので、雑食のタヌキにとっては恰好のエサ場になっています。
食べ物が自然界の木の実や昆虫から、人間の生ごみに変わっていくことで免疫力が低下しているのでは?とも考えられています。
免疫力の低下したタヌキが、集団でエサ場に集まることで接触し、疥癬が広まっていると考えられます。
タヌキの疥癬は人にもうつるのか?
タヌキから人へ疥癬がうつるという事例はないようですが、絶対にうつらないとは言えません。
まず疥癬にかかっているタヌキを素手で触る状況なんて無いですから、うつった事例がないだけでは?と考えます。
実際、猫や犬からは人に疥癬がうつります。それは疥癬にかかっていると知らないうちに接触しているためで、接触すれば感染する可能性は高まります。
ただし、動物から人へうっつった疥癬は、卵を産んで増殖することが出来ないので、一時的なかゆみでおさまります。
また人から人へは疥癬はうつるので、増殖し集団感染を引き起こします
まとめ
ヒゼンダニは寄生する個体によって形状が違い、違う個体にうつった時は増殖できないのが現状ですが、さまざまな環境の変化でヒゼンダニの増殖が変化していき、動物から人への感染力が強まるとも分からないし、個体が別々でも増殖できる新しいヒゼンダニが誕生しないとも言えません。
ですから私達ができることは、野生のタヌキがこれ以上人里におりて来なくても済むように環境破壊を止める努力をすることや、もし疥癬にかかっている動物を見かけたら、むやみに触らず、公共の機関に連絡することです。
動物病院で疥癬の治療薬をもらえば初期であれば比較的簡単に治ります。